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はじめに
Dungeons & Dragons 5 版のデジタル・プラットフォーム、D&D Beyond で現在ベータ版が公開されている 2D VTT(オンライン・セッション・ツール) D&D Beyond Maps が、最近のアップデートでだいぶ遊びやすくなっていました。
この記事では、まだベータ版(2025年5月1日時点
)ではありますが、D&D Beyond Maps の機能とセッションの遊び方についてご紹介します。
また、YouTube にて同じ内容の紹介動画も公開していますので、実際の操作感をご覧になりたい場合はこちらをご参照ください。
更新履歴
- 2025.05.01 新規作成
- 2025.05.20 校正&公開
大まかな機能紹介
D&D Beyond Maps には、主に以下のような機能が搭載されています。
- 地図の表示
- D&D Beyond で購入済みの製品のマップを直接利用可能
- 無料で使える汎用マップを提供
- 手元の地図のアップロードも可能
- トークン(コマ)の配置
- D&D Beyond で作成したキャラクター・シートのトークン
- 公式ビジュアル付きのクリーチャー・トークン
- 召喚した使い魔や軍馬などのコンパニオン・トークン
- 自作クリーチャー(homebrew)のトークン
- 公式データとの連携
- D&D Beyond で作成したキャラクター・シートからのダイス・ロール
- モンスターの公式データ・ブロックの参照とダイス・ロール
- イニシアチブ・トラッカー
- 自動イニシアチブ・ロール機能
- D&D Beyond で作成したキャラクター・シートからのイニシアチブ・ロール
- 地図上で使える便利ツール
- 状態異常などを表すトークン・リング
- 地図の一部を隠すフォグツール
- フリーハンドのお絵描きツール
- 効果範囲(Area of Effect)描画ツール
- 定規ツール
- コミュニケーション用のポインターツール
- 地図上にオブジェクトを配置できるスティッカーツール
最低限必要なもの
D&D Beyond Maps でセッションをホストするには、 Master Tier のサブスクリプションが必要です。月契約・年契約が選択でき、価格は日本円で月額約 700〜800 円(2025年5月1日時点
)となります。
プレイヤーは D&D Beyond の無料アカウントがあれば、セッションに参加することができます。
サブスクリプション画面: https://marketplace.dndbeyond.com/subscribe
あった方が良いもの
D&D Beyond のアカウントを作成した時点で使用できる公式のリソースは、(ほぼ) Basic Rules のみとなっています。そのため、使用できるサブクラスや呪文などに制限があります。
ルルブやサプリに掲載されている追加のデータを使用するには、D&D Beyond 上でその製品(デジタル版
)を購入する必要があります。
D&D Beyond Maps で試用期間の後も継続して遊ぶ場合は、まずはコア・ルールブックのご購入をお勧めします。(さらにザナサー、ターシャなどのサプリがあれば快適に遊べると思います。)
※Master Tier サブスクに加入している場合は、所有している製品を同じキャンペーンで遊ぶメンバーに共有することができる コンテント・シェアリング を使用することができます。
また、マーケットプレイスで購入できる公式シナリオやサード・パーティ製のシナリオで遊ぶ場合は、そちらもデジタル版を購入しておくと、地図とクリーチャーのデータ・ブロックを直接使用できるようになって便利です。
セッションのセットアップの仕方
D&D Beyond Maps へは D&D Beyond 上で作成する キャンペーン からアクセスすることになります。ここでは、キャンペーンの作成とプレイヤーの招待、ルルブのシェア、そしてマップ画面を実際に開くところまでの流れをご紹介します。
キャンペーンを作成
- D&D Beyond のページ上部のメニューバーから「Collections」を選択し、開いたメニューからさらに「MY CAMPAIGNS」を選択します。
キャンペーン一覧画面: https://www.dndbeyond.com/my-campaigns
- キャンペーン一覧画面の右上の「CREATE A CAMPAIGN」ボタンをクリックします。
キャンペーン作成画面: https://www.dndbeyond.com/campaigns/create
- キャンペーン名(必須入力)と概要を入力し、「CREATE CAMPAIGN」ボタンをクリックします。概要にはシナリオのカバー画像やトレーラー動画を添付したり、文字サイズや色を変更したりなどして、魅力的なキャンペーンのトップページを作成することができます。
プレイヤーの招待とキャラクターの作成
作成したキャンペーンを開くと、画面の右上に招待リンクが表示されています。この URL をプレイヤーにシェアすることで、プレイヤーがこのキャンペーンにアクセスできるようになります。
キャラクターの作成は、DM 側で準備してプレイヤーに選択してもらう方法と、プレイヤー側で自由に作成してキャンペーンに参加する方法の 2 通りがあります。
キャラクターの作成方法 1: DM 側で準備
キャンペーン画面の下部に「CREATE UNASSIGNED CHARACTER」と「CREATE UNASSIGNED PREMADE CHARACTER」のボタンがあります。
- CREATE UNASSIGNED CHARACTER
- キャラクター・シートを通常の手順で新規作成
- CREATE UNASSIGNED PREMADE CHARACTER
- D&D Beyond で提供されている作成済みキャラクター・シートからこのキャンペーンで使用するキャラクターを準備
お試しのテストプレイをする場合は、作成済みキャラクター・シートを利用するのをお勧めします。キャラクターの下の「CREATE」ボタンを押すことで、キャンペーンに追加することができます。「PREVIEW」ボタンを押すと追加前にキャラクター・シートを確認することができます。
キャラクターの作成方法 2: プレイヤー側で準備
プレイヤーが招待リンクをクリックすると、キャラクター選択画面が表示されます。新規キャラクターを作成したり、D&D Beyond で提供されている作成済みキャラクターから選んだりできます。もしくは、すでに作成済みのキャラクター・シートがあれば、それを使用することもできます。
プレイヤーに自由にキャラクター・シートを作ってもらう場合は、コンテント・シェアリング を有効にして、使用できるルルブやサプリの選択肢を増やしておくのをお勧めします。
また、ここで DM 側で準備 されたキャラクターを選択することもできます。
コンテント・シェアリング
D&D Beyond の Master Tier にサブスクすることで、購入済みのデジタル製品を同じキャンペーンの他のプレイヤーと共有できる「コンテント・シェアリング」が使用可能となります。
製品をシェアすることで、他のメンバーもそこに掲載されている種族やサブクラスなどを使ったキャラクターを作成できるようになります。
- 最大 5 つのキャンペーンでシェアが可能
- 最大 12 人のプレイヤーとシェアが可能
コンテント・シェアリングはキャンペーン画面の左上の「ENABLE CONTENT SHARING」ボタンを押すことで有効化できます。デフォルトでは所持している全てのルルブやサプリ、アドベンチャーがシェアされますが、「CONTENT MANAGEMENT」ボタンを押すことでどの製品をシェアするか細かく管理することができます。
シェア可能なキャンペーンとプレイヤーの数には制限があるため、終了したキャンペーンでは「DISABLE CONTENT SHARING」ボタンを押して、コンテント・シェアリングを解除するのをお勧めします。
D&D Beyond Maps を起動する
プレイヤーの場合
キャラクター・シートの右上にキャンペーン名が表示されています。その隣の △ ボタンを押すことで D&D Beyond Maps が起動します。また、キャンペーン名の部分をクリックすると、キャンペーン画面や他のプレイヤーのキャラクター・シートへのリンクの一覧が表示されます。
DM の場合
キャンペーン画面の右上の「LAUNCH MAPS」ボタンを押します。 また、プレイヤーの場合と同様に、キャラクター・シートからも起動することができます。
セッション前の準備
ここでは、DM がセッション前に行う準備(地図やトークンの配置など)の方法と関連機能についてご紹介します。
地図の設置
地図が何も設定されていない状態で D&D Beyond Maps を開くと、「マップ・ブラウザー」が自動的に起動します。設置できる地図の種類は以下の 3 種類です。
- 無料で使えるシンプルな Basic Maps
- D&D Beyond のマーケットプレイスで購入済みの地図
- 自分でアップロードした地図
さらに購入済みの地図については、検索がしやすいように以下の 3 つのカテゴリーに分けられています。公式の製品だけではなく、D&D Beyond のマーケットプレイスで販売されているサード・パーティ製の製品も含まれます。
- MAP PACKS
- 最近追加された マップ・パック の地図
- SOURCEBOOKS
- ルール・ブックや世界観設定のサプリメントなどに付属の地図
- ADVENTURES
- シナリオやキャンペーン製品に同梱の地図
※地図を設置済みの場合は、画面上の地図名が表示されている部分をクリックすると「マップ・ブラウザー」を起動するメニューがあります。
D&D Beyond Maps では、1 つのキャンペーンに複数枚の地図を設定して素早く切り替えることが可能です。地図の切り替えは画面上部のドロップダウン・メニューから行います。
それぞれの地図の上に トークン や スティッカー を設置したり、 フォグ で一部分を隠したりといった編集ができます。地図上に置いたトークンやスティッカーなどのオブジェクトは地図ごとに保存されます。
トークンの設置
地図を置くと、その上にプレイヤーやモンスターのトークン(駒)を設置することができるようになります。トークンは トークン・ブラウザー を使用して、公式データ・ブロック付きのモンスターやプレイヤー・キャラクターを素早く検索することができます。
トークン・ブラウザー
トークン・ブラウザーは 3 つのタブに分かれていて、それぞれ異なるタイプのトークンを検索・設置できます。トークンの設置はトークン名の横の「+」ボタンを押して画面中央へ置くか、もしくはドラッグ&ドロップで任意の場所へ置くことができます。
タブは以下の 3 つに分かれています。
- Monsters
- 公式データ・ブロック付きのモンスター・トークン
- モンスター名での検索や各種条件でのフィルタリングが可能
- Players
- キャンペーンに参加しているプレイヤー・キャラクターのトークン
- Companions
- プレイヤー・キャラクターの使い魔や軍馬などのコンパニオン・トークン
モンスター・トークンは名前で検索するだけでなく、以下の条件で絞り込みができます。
- 製品を所有していないモンスターを非表示
- 古いデータ(2014 年度版など)を非表示
- モンスター種別
- モンスター・サイズ
- 脅威度
- 掲載されている製品
コンパニオン・トークンを使用可能にするには、キャラクター・シートの「EXTRA」タブに使い魔や軍馬などを登録しておく必要があります。「MANAGE EXTRAS」ボタンをクリックすると、クリーチャーの検索と登録が可能です。
トークンのオプション一覧
トークンをクリックすると、上部に各種オプションが表示されます。それぞれの機能は左から順に以下の通りです。
- イニシアチブ・トラッカー への登録
- HP の管理 ※モンスター・トークンのみ
- データ・ブロックの表示 ※モンスター・トークンのみ
- トークンの表示・非表示切り替え(ショートカット: Shift + H)
- トークンの位置固定(ショートカット: Shift + L)
- トークンの名前変更
- トークン・リング の設定
- トークンを削除(ショートカット: Backspace)
HP の管理
モンスター・トークンの HP 管理は、イニシアチブ・トラッカー上のデータ・ブロックから行う方法と、トークンから直接行う方法の 2 通りがあります。トークンから行う場合は以下の機能が利用できます。
- HP の増減(数値を入力後、「HEAL」または「DAMAGE」を選択)
- 一時 HP の設定
- 最大 HP の上書き
一時 HP が設定されている場合、HP を減少させる時に自動的に計算してくれます。
データ・ブロックの表示
データ・ブロックの表示ボタンを押すと、画面の左側にそのモンスターの公式データが表示され、直接能力値判定やセーヴィング・スロー、アクションの攻撃ロールなどを行うことができます。データ・ブロックは イニシアチブ・トラッカー からも開くことができます。
トークン・リング
トークン・リングはクリーチャーの状態などを視覚的に分かりやすく管理するのに役立ちます。「青色は精神集中」など、臨機応変にルールを決めて運用できます。トークン・リングの色は イニシアチブ・トラッカー にも表示されます。現時点ではリングの色は 1 色のみ設定可能です。
セッションの開始
セッションの開始と一時停止
実際のセッションの開始は、画面下の赤色の「START SESSION」ボタンを押して行います。このボタンが押されるまで、プレイヤーの画面には地図やトークンの表示がされません。プレイ中に一時停止を行いたい場合は、同じ位置に表示されている一時停止ボタンを押すと、再びプレイヤーの画面が非表示となります。「RESUME SESSION」ボタンを押すと、セッションが再開されます。
セッションの終了
セッションを終える際には、一時停止ボタンの右に表示されている △ ボタンをクリックして「END SESSION」ボタンを押します。セッションを終了しても、地図や地図上の情報(トークンの位置や描いた図形など)は消えません。
Spectator View(観戦者ビュー)
画面右下のディスプレイのアイコンをクリックすると、「Spectator View(観戦者ビュー)」でこの地図を開くことができます。これはプレイヤー視点での画面と同じ物です。フォグの設定を確認したり、配信時にプレイヤー視点の画面を視聴者に見せたりなどの用途に利用できます。
セッション中の機能
ここでは実際のセッション中に DM やプレイヤーが使用できる機能についてご紹介します。
ダイス・ロール
D&D Beyond Maps のダイス・ロール機能はとてもシンプルで、他の VTT に搭載されているような自動化機能(自動で命中判定、命中時に自動で攻撃ロールを振る、など)は搭載されていません。そのため、プレイ感覚はオフライン・セッションに近いものとなります。
※唯一の自動化処理として、プレイヤーが攻撃ロールでクリティカルを出した場合に、キャラクター・シート上のダメージ・ダイスが 2 倍になります。
DM のダイス・ロール
イニシアチブ・トラッカー もしくはトークンから開くことができるデータ・ブロック 内からダイス・ロールを行います。
現時点ではクリティカルが発生しても自動的にダメージ・ダイスは倍にならないため、その場合はカスタム・ロール を行って追加のダイスを振ることになります。
プレイヤーのダイス・ロール
キャラクター・シート上からダイス・ロールを行います。ロール結果はキャラクター・シート上と D&D Beyond Maps 上の両方のログに表示されます。
クリティカルが発生した場合は、自動的にダメージ・ダイスが 2 倍になって表示され、それをクリックすることでクリティカル・ダメージをロールすることができます。
ダイス・ログの表示
セッション中に振られたダイスのログは、画面右下の六面体のアイコンをクリックすることで確認できます。各ログをクリックすると実際の出目と修正値の詳細表示がされます。
カスタム・ロール
キャラクター・シートやデータ・ブロックに設定済みのデータからではなく、個別に自由にダイスを振ることができます。
キャラクター・シートから振る場合
画面左下の赤色のダイスアイコンをクリックすることで、ダイス・ローラーが開きます。振りたいダイスをクリックすると数を増やせ、右クリックすると減らせます。一番下の赤い「ROLL」ボタンをクリックすると実際にダイスロールを行います。
「ROLL」ボタン右の ▽ ボタンを押すと、ロール結果の表示範囲が設定できます。
- Everyone
- 全員にロール結果を開示
- Self
- 自分にだけ開示
- Dungeon Master
- 自分と DM にだけ開示
D&D Beyond Maps 上から振る場合
ダイス・ログ を開き、一番下の「ROLL DICE」と表示されている部分をクリックするとダイス・ローラーが開きます。振りたいダイスをクリックすると数を増やせ、右クリックすると減らせます。赤い「ROLL」ボタンをクリックすると実際にダイス・ロールを行います。
左下の人型のアイコンから全員にロール結果を表示するか、もしくは自分だけが確認するかを選べます。
ロール結果の表示範囲の設定
プレイヤーがキャラクター・シートからダイス・ロールを行った場合、基本的にロール結果は全員に共有されます。(※カスタム・ロールの場合は共有範囲を個別に設定できます。)
DM がダイス・ロールを行う場合は、画面上部のメニューからロール結果の共有範囲を設定できます。デフォルトでは全員に共有される設定になっていますが、手元で秘密のロールを行いたい場合などは「Roll to Self」を選択します。ここの設定は基本的に「Roll to Everyone」のままにしておいて、秘密のロールは カスタム・ロール で行うという運用方法もあります。
イニシアチブ・トラッカー
画面の左上のアイコンからサイドバーを表示すると、イニシアチブ・トラッカーの起動ができます。D&D Beyond Maps のイニシアチブ・トラッカーは、戦闘ラウンドとターンの管理だけでなく、自動イニシアチブ・ロールやモンスターのデータ・ブロックの表示機能などが搭載されています。
トークンの登録
イニシアチブ・トラッカー内の「ADD ALL TOKENS」ボタンをクリックすると、地図上に置かれている全てのトークンが自動的に追加されます。
不要なトークンが追加されてしまった場合は、イニシアチブ・トラッカー内のクリーチャーをクリックすると出てくるサブメニューから「X」ボタンを押すと削除されます。
追加されたトークンには自動的にイニシアチブの値が初期設定されます。
※2024 年度版のクリーチャーの場合は、データ・ブロックに記載のイニシアチブ値が設定されます。そうでない場合は 10+【敏捷力】修正値が設定されます。
陣営の設定
デフォルトではプレイヤー・キャラクターのトークンは味方パーティ、それ以外のクリーチャーは敵パーティに振り分けられます。そのどちらでもない陣営として NPC パーティを作成することも可能です。
自動イニシアチブ・ロール は陣営ごとにまとめて行うことができます。
陣営を変更するには、イニシアチブ・トラッカー内のクリーチャーをクリックしたときに出てくるサブメニューから顔のアイコンを選択し、移動したい陣営を選択します。
イニシアチブ・ロール
プレイヤー・キャラクターのイニシアチブ・ロールはキャラクター・シートから行います。ロール結果が自動的にトラッカー内のイニシアチブの値として設定されます。モンスターと同様に、パーティ全体のイニシアチブ・ロールを自動的に行うこともできます。
モンスターの場合は、基本的にデフォルト値をそのまま使用するか、「AUTO INITIATIVE」ボタンを押して全員のイニシアチブ・ロールを自動で行います。手動で行いたい場合は、現時点ではカスタム・ロール を使用し、自分でイニシアチブ値を上書きすることになります。
有利・不利のつけ方
プレイヤー・キャラクターの場合は、キャラクター・シートのイニシアチブ表示の上で右クリックをすると、有利・不利が選択できます。
モンスターの場合は、イニシアチブ・トラッカー内でクリックしてサブメニューを表示し、有利の場合は「+」アイコン、不利の場合は「-」アイコンを選択します。その後「AUTO INITIATIVE」ボタンを押すと有利・不利を加味した値が設定されます。
※イニシアチブ・ロールを行った後に「+」アイコンまたは「-」アイコンを押しても、有利・不利で振ったものとみなし、値の調整を行ってくれます。
戦闘の開始と終了
イニシアチブ・トラッカー下部にある「START COMBAT」ボタンを押すと戦闘が開始されます。現在のラウンドとターンの確認と、ターンを次・前へ回す機能が備わっています。
プレイヤー側の画面では、イニシアチブ・トラッカーに登録されているクリーチャーが画面上に表示され、現在のターンのクリーチャーが強調表示されます。トークンに設定されているリング の色も表示されます。
「END COMBAT」ボタンを押すと確認ウィンドウが出て、戦闘を終了できます。イニシアチブ・トラッカーに登録されていたトークンが全てクリアされます。
アクションの実行と HP の管理
プレイヤー・キャラクターの場合は、アクションの実行も HP の管理もキャラクター・シート上から行います。
クリーチャーの場合は、イニシアチブ・トラッカー内からデータ・ブロックを開いたり、受けたダメージを反映したりすることができます。トークンの HP の管理 と同じ方法で、最大 HP の上書きや一時 HP の設定ができます。
HP が 0 になって戦闘不能となったクリーチャーは、イニシアチブ・トラッカー内で「X」ボタンを押すことでリストから取り除けます。もしくは、トークンを直接削除して取り除くことができます。
ツールバー
ここでは画面の左端に表示されているツールバーの機能について順番に見ていきます。
デフォルトでは フォグツール 以外の機能は全てプレイヤーにも使用可能となっていますが、ツールのアクセス制限 を設定することもできます。
※ツールバーから何も選択されていない場合、選択ツール + 移動ツール のような挙動をします。クリックした場所によって、トークンまたは地図の移動を行います。
選択ツール
地図上のトークンの個別またはグループ選択ができます。地図上をクリック → ドラッグ することで、範囲内に入ったトークンを複数選択できます。
複数選択した場合のみ、トークンのメニューから「グループ(ショートカット: Shift + G)」を選ぶことができ、選択されたトークンを 1 つのグループとして扱うことができるようになります。
グループ化したトークンはまとめて移動や可視化・不可視化、ロック、リング 、削除の設定ができるようになります。現時点ではやり直し(Undo)ができないので、特に削除は気をつけて行う必要があります。
選択ツールのショートカット: V
選択後のグループ化・グループ解除のショートカット: Shift + G
移動ツール
地図をつかんで画面全体を移動させることができます。地図の拡大・縮小については、画面下の拡大・縮小ツールを使うか、マウス・ホイールやトラック・パッドでスクロールすることで行うことができます。
このツールは他のツールを使用中でも スペースキーを長押し することでいつでも使用可能です。
移動ツールのショートカット: P
他のツール使用中のショートカット: スペースキー長押し
フォグツール
このツールは DM 専用で、地図の一部をプレイヤーから隠して見えなくすることができます。フォグの上に置いたトークンやスティッカーなどのオブジェクトも同様に見えなくなります。
ブラシの形状(正方形または丸)とサイズ(超小型、中型、大型、超大型、巨大)を選択し、隠したいところをペイントしていきます。もしくは、先に画面全体をフォグで隠してから見せたいところだけ削っていくという設置の仕方もあります。
まだ扉を開けていない部屋や視界が届いていない範囲を隠すのが一般的な利用法ですが、一時的に見えない範囲(霧や魔法の暗闇など)が発生した時にも使用できます。
フォグツールのショートカット: F
プレイヤーから見た画面は以下のようになります。
お絵描きツール
ペンで自由に画面上に絵を描けます。ペンのサイズは 5 段階、色は 12 色から選択できます。消しゴムアイコンを選択すると描いた線を消すことができます。
DM のみゴミ箱アイコンが表示され、これをクリックすると確認ウィンドウの後に全員が描いた線を全て削除できます。
常にトークンや効果範囲、スティッカー の下に表示されるため、画面に配置できるオブジェクトを直接装飾するような使い方はできません。
お絵描きツールのショートカット: D
※他の画面上に設置できるオブジェクトとは異なり、個別選択や移動、拡大縮小、回転などはできません。
効果範囲描画ツール
呪文やブレスなどの効果範囲をグラフィカルに表示できます。形状は正方形、円、三角形、直線で、範囲内の色(12 色)や模様(15 パターン)を選択できます。
設置した効果範囲は個別のオブジェクトとして扱われ、サイズの変更や回転、ロック、表示・非表示の切り替えなどを行えます。
キャラクターやモンスターのトークンと重なった場合は、自動的に下敷きとなってトークンの視認性を損ねません。スティッカー は効果範囲で覆うことができます。
効果範囲描画ツールのショートカット: O
定規ツール
始点からドラッグしている間、2点間の距離をフィートで表示します。自分の定規ツールの表示は他のプレイヤーには見えません。
定規ツールのショートカット: R
ポインターツール
他のプレイヤーにカーソル位置や注目してほしい場所を強調するのに使用できます。ポインターとピンの 2 種類があります。
ポインターは、画面上でクリックしてドラッグしている間、マウスポインターの軌跡を他のプレイヤーに共有できます。経路を示したい時などに使用できます。
ピンは、画面上の注目してほしい点をクリックすることで、波紋のようなエフェクトを表示します。文字通り注目してほしい点や、ターゲットを示す際に使用できます。
ポインターツールのショートカット: X
トークンツール
トークン・ブラウザー の項にて詳細説明をしていますので、そちらをご覧ください。
トークンツールのショートカット: T
スティッカーツール
地図上にさまざまなオブジェクトをスティッカーのように貼り付けて、地図をより彩ることができます。画面に設置したオブジェクトは、サイズの変更や回転、ロック、表示・非表示の切り替えなどが可能です。
スティッカーを有効活用することで、Basic Maps のようなシンプルな地図でもシナリオに合わせたセッティングが可能となります。
スティッカーが他のオブジェクト(トークンや効果範囲表示 と被さった場合、一番下に配置されます。
スティッカーツールのショートカット: S
ツールのアクセス制限
これらのツールはデフォルトではプレイヤーも使用可能となっていますが(フォグ機能は DM 専用)、設定画面から個別のツールにアクセス制限をかけることもできます。
設定画面は画面右上の横棒が 3 本並んでいるアイコンから「Settings」を選択することで開くことができます。ちなみに「Keyboard Shortcuts」を選択すると、現在使用可能なキーボード・ショートカットの一覧が表示されます。(現時点ではカスタマイズはできません)
設定内容は上から順に以下の通りです:
- モンスター・トークン へのアクセス許可
- モンスター・トークンを画面に設置したり動かしたりするための権限です。
- プレイヤーやコンパニオントークンには影響はありません。
- スティッカー へのアクセス許可
- ツールへのアクセスや、設置済みのスティッカーの編集をするための権限です。
- お絵描きツール へのアクセス許可
- 効果範囲描画ツール へのアクセス許可
- 効果範囲の描画や、設置済みの効果範囲の編集をするための権限です。
- ポインター 機能の使用許可
- ピン 機能の使用許可
- トークンのロック(位置固定) 機能の使用許可
- トークンのグループ化 機能の使用許可
- データ・ブロックからのダイス・ロール時に有利・不利を確認するかどうか(DM 専用)
- デフォルトでは毎回、有利・不利で振るか確認するウィンドウが出ます。
日本語化できる範囲について
D&D Beyond は基本的に英語で UI やデータが提供されますが、部分的に日本語化することができます。
日本語化できるのは以下の部分です:
- トークンの名前
- トークン・ブラウザー から設置したモンスター・トークンは英語表記ですが、トークンのオプション から個別に日本語で名前を上書きできます。
- 武器や呪文などの名称
- キャラクター・シートから変更したい項目を選択し、「Customize」をクリックして「Name」を上書きします。
- ここで変更した名称でダイス・ロールの結果が出るようになります。
- ホーム・ブリュー(自作)のモンスター、アイテム、呪文など
- 自作したモンスターはデータ・ブロック内でも日本語表示が可能です。
終わりに ─ フィードバックを送ろう!
D&D Beyond Maps は開発中のベータ・バージョンです。データ・ブロックへの直接アクセスや、スティッカーなど、便利な機能が次々と実装されていますが、同時に不具合修正や UI の手触りの向上などの改善も継続的に行われています。
もしも使用中に不具合や改善してほしい点が見つかったら、ぜひフィードバックを送ってあげてくださいね!
長い記事となりましたが、みなさま良い冒険を!⸜(๑’ᵕ’๑)⸝